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2024-01-23

2024.2.9(金)→2.13(火) 一瀬大智/ichinose daich  あゆみのかたち(終了しました)

 

最初に送られてきたDMのデータ、後に送られてきたDMのデータとは違う。その2つはどれも〝彼らしいな〟と思う。

2019年、初個展に誘った。もっとたくさんの作品を観てみたいと思った。そして、この後に続く彼の描く作品の変化を観てみたいと思ったからだ。

〈景色をひろう画家 一瀬大智 展〝あゆみのかたち〟〉

会期 2024. 02.09(金)→13(火)

時間 12時→18時

作家 一瀬大智 ichinose daichi

 

〈一瀬大智 ichinose daichi〉

1995年 奈良県生まれ
2018年 大阪成蹊大学芸術学部美術学科卒業

卒業後より発表をはじめ、大阪・奈良を拠点に活動
2020年 ICHINOSE DAICHI STUDIO設立

風景をモチーフにした絵画を主に制作。
近頃は日本に通底する自然観や「はかなさ」に関心を寄せ、変わらないもの、変わっていくものへの興味を誰しもが目にしたことがある風景に託す。

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大阪・富田林にあるgallery Blau Katzeにて作品展「あゆみのかたち」を開催します。

絵は大概、歩くことからはじまる。ぼんやりGoogle mapを見て、この辺りが気になるなと向かう。ぼーっと思いを巡らせながら、ふと気になったものを写真に収めて、それを種に作品にする。

今回はギャラリーがある富田林から、住んでいる奈良までを歩いてみて得たものから作ろうと思い立ちました。絵以外にも写真なども持っていこうかな。それと、これまでの絵もいくつか。

形になったものが、誰かの記憶につながれば幸いです。

同ギャラリーでは3回目の個展。おもえば初めての個展を開催したのもここでした。今年初めての展示会、みなさま遊びにきてね。

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通販のお問い合わせは https://gallery-blaukatze.com/contact

・お名前・ご住所・お電話番号・ご希望作品をお知らせください。

※こちらの作品「あゆみのかたち」は切り売り可能です。ご希望の方の部分をご指定ください。また1枚でのご購入も可能です。

 

 

一瀬大智 展 あゆみのかたち  終了しました。

ご来廊ご売約をいただきありがとうございました。

 

最終日。居合わせたお客様と興味深い話しになった。
絵を描くことは〝祈り〟か〝悟り〟か。
自分も作家も同じ答えだ。

「悟りではない。願いに近い、祈りかもしれない。」

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ギャラリーをしていて有難いことは多くの作家さんと出会えることだ。刺激的でもある。気づきを得る、そういう感じ。100人の作家がいれば、100通りの面白さがある。作品の個性は、その人と成りが表現されるのだなと思う。たまに「この人の頭の中に入ってみたい」と思うこともある。

今展示会の作家も正にそうで、実に不思議だ。同じことを考える人は多くいるし、現代において「唯一無二」なんてほぼ無いであろうと思っている。その上で、この人は面白いなぁと素直に思えるのだ。

「ギャラリーから自宅まで歩いてみました。」

2日間。約42km。約10時間。約63,000歩。考えること、思うことと、実行することは違う。そしてそれを作品に落とし込む。ただその歩数を点々と繋げる。点々を描く。確かに風景画であり、それは抽象画でもあり、そして心象画でもある。そして作家はこう言うのだ。

「歩いてみて特に何も感じなかった。」

結果、作家にとって〝歩く〟という行為は、日常的な行動であり、特別なことではないのだ。特別なことをしているのに。

点々は文字や絵の全ての始まりの〝ドット〟だ。63,000個の、正確には63,180個の点々をただ黙々と描く。景色を拾い写しとる。それは作家にとってはなんの変哲もない日常なのだ。ただ、その積み重ねの思いは、積み重なっていくことは間違いない。だからこそ、そこに風景が見える。

ただ淡々と話す作家と、作家が描く作品と、ぜひ話してみて欲しい。

「けれど、そういうものなのだろうと思った。
もっと歩いてみれば何かが分かるかもしれない。」

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きっと少し何かを悟った作家、きっと、たぶん、これから旅に出ます。そして2回りくらい大きくなったら帰ってくるかもしれません。きっと、たぶん。その時が楽しみです。(2024.2.13.追記)

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